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羽黒修験

羽黒修験・出羽三山信仰の目指すもの

羽黒修験とは、能除聖者のうじょしょうじゃ(562?~641?)を開山者と仰ぎ、羽黒山荒澤寺を拠点に出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)を道場として修行する修験道の一派です。この他の名称として、羽黒山修験道、羽黒派修験道などがありますが、いずれも羽黒山荒澤寺を本山として出羽三山を修行する修験道・山伏集団であることに変わりありません。

羽黒修験の総本山は、江戸時代末期まで羽黒山寂光寺(現在の出羽三山神社)でしたが、明治の神仏分離を経て以降は、本山寺院としての機能を天台宗・羽黒山荒澤寺、その本坊(事務所)の正善院に全て移管され、第二次大戦後は羽黒山修験本宗・大本山羽黒山荒澤寺正善院として今日に至っています。

そもそも修験道とは、生身の人間である山伏(修験者)が、仏となることを目指して山や谷で修行し、人里にあっては悩める人々を救済し、利益を施してゆく菩薩の道をいいます。特に羽黒修験では、こうして人から仏となってゆく過程で、般若心経をお唱えしその教えに生きること、羽黒山・月山・湯殿山を巡ることによって成仏が達成されるという点が、他の修験道にはない特徴です。
 また、こうした羽黒修験に寄りそう一般参拝者の出羽三山への信仰も同様に、三山それぞれに推奨される順路をたどることで、本格的な山伏修行を追体験できるものと考えられています。

たとえば、羽黒山ではまず、お山全体の玄関口にあたる山麓の手向に到着すると黄金堂の観音様に手を合わせ、石段の参道を上って五重塔を経て、山上の寂光寺の大金堂(現・出羽三山神社の三神合祭殿)を参拝し、奥之院・荒澤寺へと順を追うことが習わしとされてきました。

荒澤寺について